サヨナラケイジ

「だから、アタシ思ったの。この人は平気でウソをつけるんだな、って。それからよ、アタシがあなたを怪しいと思ってたのは。こう見えても、昔、探偵事務所で働いてたこともあるから、人の観察は得意なのよ」


自衛隊員で、探偵で、寮母!?

その遍歴に開いた口がふさがらない。

すごすぎる・・・・・・。


「警察署をコソコソ出てきた姿を見て、ピンときたの。だから探偵のスキルである『尾行』を発動させてここまで来たの」


得意気に鼻から息を吐き出すよしこちゃんは、するどい目で橘を見ている。


「どう? 認めるわね。あなたが犯人なのよね!?」


問い詰める声に、橘はゆっくりとよしこちゃんを見やった。

長い沈黙が流れ、空気がピンと張りつめている。

やがて、橘が肩を揺らしだした。


「・・・フッ」


泣いているのかと思ったけれど、それは橘の笑い声だった。


「アハハハハ」


「な、なにがおかしいのよ」


「このオカマ野郎が見破るなんてな」


おかしそうに笑う橘は、見たこともないような冷たい目をしていた。