サヨナラケイジ

3、

真っ暗になった世界の中、すぐに、

ギィィィィ

と、いう鉄の扉が開く音がした。


「来た・・・・・・。私、見ない、見ないからっ」


叫ぶように言う悠香は、さっき言っていたとおり目を閉じたのだろう。

足音が、ヒタヒタと近づいてくる。

目の前すら見えない黒一色の中、相手がどこにいるかもわからない。

やがてすぐ近くで、


カチャ


と、なにかを床に置く音が聞こえる。

きっと食事を運んで来たのだろう。

体を固くして身構えていると、友季子のいるあたりから鼻をすする音が聞こえた。

だめ、言っちゃだめ。

けれど、友季子に願いは届かない。


「きょう・・・・・・ちゃん、なの?」


友季子の小さな声がまるで耳元で言われたように響いた。