サヨナラケイジ

ようやく泣き止んだ友季子が、

「でも、ふたりお似合いだと思うよぉ。腹がたつことなんてあるわけ?」

と、不思議そうにたずねてきた。


「しょっちゅうある。・・・あ、そう言えばそのうちのひとつは、友季子が原因なんだよ」


結城と最後にもめた内容を思い出し、私はそう言った。


「なんで私なの?」


「まぁ・・・・・・。なんていうか・・・・・・。結城さんがね『友季子が犯人の可能性がある』なんて言いだしたもんだから、それでケンカ」


「ぶ。なにそれ」


怒るかと思ったけれど、カラカラと友季子は笑い出した。

悠香も同じようにおかしそうに目を見開いた。

 
「でしょー。窓ガラスの割れ方がおかしいんだって。友季子がストッキングに石を入れて、隣の部屋から割ったとかなんとか言うんだよ。腹立つでしょ?」


友季子の履いている黒いストッキングはほこりですすけていた。


「面白いねぇ」


ふんふんとうなずく友季子に、

「それに、割ったと思われる石が見つからないらしいよ。部屋の中にも、地面にもそれらしいものがなかったんだって」

と、電話で言われた情報を伝える。


「そうなんだ。でもさ、そもそもこのストッキングはさ・・・・・・」


言いかけた友季子の口が急に、ギュッとすぼまったかと思うと動かなくなった。