サヨナラケイジ

必死の否定しても、思わず顔がにやけちゃう。


「もう・・・・・・」


誰にたいして怒っているのかわからないけど、そう言うと心の中で大きく息を吐き出した。

冷たい態度とって悪かったな。

これで結城にもう会えないと、死んでも死にきれない。


「あのね」

思考は、悠香のうってかわって真剣な声にかき消された。

「私たち、死ぬかもしれないよね」


「悠香?」


「だって、このまま無事に帰れるとは思えないでしょう? ひょっとしたら死ぬかもしれない。自分の気持ちにウソついても仕方ないでしょう」


その言葉にハッとした。

悠香がいなくなってしばらくたっている。

ここで毎日そのことを考えていたんだ、って思うとなにも言えなくなる。

大好きな人に会えなくなるかもしれない。

その恐怖と向かい合った彼女の言葉に、胸のあたりが熱くなった。


「うん、そうだよね。でも、わからないの。結城さんのこと、どう思ってるかなんてわからない。好きなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない」


「うん」


「すごく好きなときもあるし、顔も見たくないってときもあるんだよ」


一度口から出た言葉は止まらない。