「わかんないー」


友季子には答えを期待してなかったので、スルーして悠香の顔を見た。


「たぶん、倉庫だと思う。遠くでたまに船の出す『ボーッ』ていう音がかすかに聞こえるから」


「やっぱり港なんだ」


結城の考えは合っていたってことになる。


「てことは、警察がそのへんで捜査してるんじゃない?」


きっと、結城が見つけてくれるはず。

絶望から急に希望が生まれたようで、なんだか少し安心した。

けれど、そんな私に悠香は「でもね」と、続けた。

「たぶんここは、地下なんだと思う」


「え? 地下?」


ふぅ、とため息ひとつ落として、悠香は天井をみあげた。


「うん。船の音は斜め上から聞こえてくるし、それ以外の音は聞こえないから。だから、捜査したとしても、地下の存在に気づかないと見つけてもらえないと思う」


「そんな・・・・・・。あ、江梨子はどこ? それに他の連れ去られた人たちはどこにいるの?」


この部屋には私たちしかいない。

まさか、もう外国に・・・・・・?