思い出そうとするけれど、怖かった記憶だけが頭にコゲのようにこびりついている。


「よしこちゃんと部屋にいたら、いきなり部屋が真っ暗になってね。それで気を失ったの」


「よしこちゃんがいたのに?」


不思議そうに友季子が首をかしげるので、

「ああ。なんかお酒に薬が入ってたみたいで、よしこちゃんバタンって寝ちゃったんだよね」

と、説明した。


「そうだよねぇ。よしこちゃん、元自衛隊員だもん。起きてたら犯人をとっちめてたと思うよ」


「え!? よしこちゃんて自衛隊の人だったの?」


これには驚いた。

たしかに言われてみると、窓ガラスが割れたときとかも俊敏な動きをしていたっけ……。

なんだか男の人みたいだな、なんて思ってしまい、まだ頭がぼんやりしていることを知る。

もともと男性だっけ・・・・・・。


「それより、ここどこ?」


あらためて周りを見回す。


今が昼なのか夜なのかもわからない。