痛い!


「気をつけて、後ろ手に縛られているから」


右のほうからする声は・・・・・・。


「悠香!」


顔だけあげて確認すると、間違いなく悠香がそこにいた。

友季子とおなじように壁にもたれている。

言われた通り、私は両手をロープで後ろ手に縛られているようだった。

手から伸びたロープは壁にあるフックのようなもので固定されていて、友季子たちのところまで行けない。


「ここは?」


見回すと、むき出しのコンクリートに囲まれている薄暗い部屋。

窓もなく、ほの暗い照明だけが気持ち程度に光っていた。


「それが、私も気づいたらここにいたの」


あっけらかんと言う友季子は、状況がわかっていないように笑っていた。


見ると、友季子の手も縛られている。

いや、ちがう。

友季子と悠香は体の前で手を縛られている。