「ひゃ・・・・・・」


けれど、のどから出たのはかすれた小さな声。


怖い。

怖いよ。


ギシッ


「っ!」


すぐ近くで、床を鳴らす音が聞こえた。


ギシッ


また。


逃げなくちゃ。

だんだん慣れてくる視界。

1年以上もここに住んでいるから、私のほうが有利なはず。

ドアに向けて思いっきり走れば、犯人を倒せるかも。

震える足をドアのほうへ向ける。


誰か、いる。


だんだん慣れて来る視界の先に、黒い影が立っている。


これは見まちがい?


いや、ちがう。