ゴオオ


「え?」


ゴオオオ


どこからか地響きが聞こえて、キョロキョロすると音はよしこちゃんの口から発せられていた。

カラになったグラスを右手で持ちながら、いつのまにか口を開けて寝てしまっている。


「ちょ、よしこちゃん」


体を振って起こすと、

「うわ!」

男の声を出してバッ目を見開いた。

けれど、すぐにまたトロンとゆっくり眠気に負けてゆく。


「どうしたの? 眠いの?」


肩をワシワシと揺さぶると、また目を開いて私を見た。


「なにこれ・・・・・・。琴葉ちゃん、アタシ・・・・・・」


「疲れちゃったよね。ごめんね」


朝から晩までつき合わせてしまったから、疲労困憊しちゃっているのかも。

しかし、よしこちゃんは、

「ちが・・・・・・。なに・・・・・・?」

と、困惑したような顔をしていたかと思うと、ハッと私を見た。


「琴葉ちゃん、逃げて」


「え?」


言うそばから体が前後に揺れ出して眠る体制になってゆく。