「屋上で殺されちゃったわけだけど、その秘密もわからずじまいなわけね。カメラマンも翌日に発見された、と」


ぽわんとほほを赤く染めて、よしこちゃんは考えるように宙を見あげた。


「私の部屋の窓ガラスが割られ、友季子が連れ去られたのが今日のこと」


こうして考えると、本当にいろんなことが起きたんだ、と思い知る。

本当に犯人たちは、みんなを海外に売るつもりなの?


今、みんなはどこにいるの?


港を捜索している刑事たちも、結局はなんの情報も得られていないのだろう。

こうしている間にも、みんなは怖くて震えているっていうのに。

ふと、結城の言葉が思い浮かんだ。


『小野友季子を信用しないほうがいい』


彼はどういうつもりであんなことを言ったのだろうか。

結城が勘違いしてしまうようなことがあったのかもしれない。

今夜は戻ってくるのかな・・・・・・。

寝たふりをしてもきっと結城なら見破るんだろう。



それとも、さっきいた女性と一緒なのかな・・・・・・。