「ううん。開いてるよ」


「入るわね。あら」


ドアを開けたよしこちゃんの顔は、廊下の照明の逆光になっていて見えないけれど、きっと眉をしかめているんだろう。


「どうしたの、真っ暗じゃない」


そう言って電気をつける。

一瞬でまぶしさに目をしかめた。


「こら、おセンチにならないの」


ドカドカと入ってくると、絨毯にドスンとよしこちゃんは座った。

手には、たくさんのお酒とジュース、それにお菓子の山を抱えている。


「どうしたの、それ」


起きあがった私も、よしこちゃんと同じく地べたに座る。


「こういうときは呑みましょ」


「のんきにご飯、じゃないの?」


「夜は、のんきにお酒」


「てか、いつも呑んでんじゃん。それに私、未成年だし」


「子供はこれで十分」


冷えたジュースのペットボトルを目の前に出されたので苦笑しながら受け取る。