力なくそのまままたベッドに横になろうとする私を、着信音が止めた。

ムリ、今は結城と話せる気分じゃないよ。

画面に目をやると、そこには『浩太』の文字が。


「もしもし、コータ!?」


すぐに通話ボタンを押すと耳に当てた。


『・・・・・・』


「コータ、コータぁ・・・・・・」


がまんしようとしても、どんどん涙があふれた。

浩太だけでも無事なことのうれしさ、友季子がいなくなったことの悲しさ、いろんなことが混ざり合って言葉にならない。


『俺のせいだ』


外にいるのか、雑音の中で浩太の声が低く耳に届く。


「ちが・・・・・・。コータのせいじゃないよ」


『ぜんぶ、俺が悪いんだよ。友季子の誘いを断ってさえいれば、あいつ行かなかったはずだし』


「コータ・・・・・・」


『なんでこんなことになっちゃうんだよ。俺の周りのやつ、みんないなくなっていくみたいだ』


かすれるような声が浩太の悲しみをリアルに感じさせるよう。