そばにいてほしい。

不安でたまらないよ。

結城の存在がこんなに大きくなっているなんて思いもしなかった。

順を追って話せない私を、黙って結城は聞いてくれた。


「どうしよう。友季子や浩太にまでなにかあったら・・・・・・」


『・・・・・・』


そこまで言ってもなお、結城は沈黙を守ったままだった。

静かな息づかいだけが、スマホ越しに耳に届いている。

これからどうするのか考えているのかな、としばらくは無言につきあってはみたけれど、いくらなんでも長い。

ひょっとして、捜査の疲れから寝ちゃったとか?

しびれを切らして、口を開こうとしたとき、

『琴葉はそこから動くな』

結城の声がようやく聞こえた。


「うん。でも・・・・・・」


『すぐに港にいる刑事たちに連絡する。見つけ次第すぐに確保するから』


「確保?」


『確保ってのは、保護するって意味だ』


冷静な結城の声に、ようやく私はベッドに腰かけた。