3、

昼過ぎにはすっかり部屋は元通り。

強化ガラスにしてくれたらしいけれど、こわくって窓辺には近寄れないまま時間だけが過ぎて行った。

カーテンも閉めたまま。

こんなことをしているヒマがあるなら、本当は港を探して歩きたい。

海のあるこの町では、バスで30分も行けば港に行ける。

行ったところでどうにかなるわけじゃないのはわかっていても、ここでジリジリしているよりはマシ。

でも、結城が言ったように、今は危険なのもたしか。


「もう・・・・・・」


なにもできないなんてつらすぎるよ。

こうしている間にも、江梨子や悠香は怖さに震えているだろうに。

自分だけが学校をズル休みしているような、罪悪感がある。


トントン


ノックする音に思わず体が跳ねた。

ここは安全なのはわかっていても、そうとう怯えているらしい。

ドアを開けると、友季子が立っていた。


「起きてた?」


なんて聞いてくるので思わず苦笑。