「で、なにかわかった?」


お茶を結城の前に置いたよしこちゃんに、結城は「ええ、まぁ」とうなずいた。


「なによ、歯切れ悪いじゃない。こっちは命の危険にあったっていうのに」


「捜査上のお話はできないことになっています。しかし、犯人が本気だということがわかりました」


「それで? これからどうするつもり?」


なんかよしこちゃんの目がすわってきているなぁ、と思ったらいつのまにか、よしこちゃんの湯呑に入っているのはお茶ではなく焼酎だった。

まだ朝っていうのに!

結城は気づいているのかいないのか、メガネを少し上にあげながら、

「警官を外にも配置するよう指示しました。今回のような危険な目には合わせません」

と、神妙な顔を作った。


「ねぇ」


私の声に、結城がそのときはじめて視線を合わせた。

一瞬言葉につまるけれど、それどころじゃないんだから、と自分に言い聞かせる。


「やっぱりこれって『余計なことをするな』っていう警告なの?」


「まぁ、そうだろうな」


江梨子や悠香の行方はわかったの?

まだ海外には出ていないの?

聞きたいことは山ほどあった。