結城が警察官を連れてやって来たのは、それから30分後だった。

現場検証、とやらをしている間、私たちは食堂で待っているしかないわけで。


「窓ガラスが割れる音なんて聞こえなかったよ」


まだ目が覚めていない友季子がぼやいた。

着がえはしているけれど、まだ頭が爆発している。

いつにも増して、今日はかなり寝起きが悪いみたい。


「どれだけ深い眠りなのよ。ほら、濃いお茶」


呆れ顔で湯呑を置いてから、よしこちゃんも前の席に腰をおろすと、。

「はぁ、もう展開についていけないわよ」

と、天井をあおぎ見た。


「ほんとだね」


最近のこの展開はなんなの?

それもこれも、全部結城と出会ったがために起こったことのように感じる。


いや、ちがう・・・・・・。


女子高生の行方不明はその前からあったことだし、江梨子だっていなくなったのはその前の話。

だけど、いろんなことが起こりすぎて、もう頭がパンクしそうになっている。

階段をきしませる音にぼんやり目をやると、結城が食堂に降りてきたところだった。

大股で当然のように私の横に座ると、

「ご連絡ありがとうございました」

と、律儀によしこちゃんに向かって頭をさげた。