さすがに朝だからよしこちゃんの顔は化粧崩れもしていない。

休校が決まったからか、食堂には誰もいなかった。

嶋村のように遊びに行く人と、せっかくだから寝ている人がいるんだろうな。

ギィ

椅子を引いて食堂に座った。

なんだろう、胸がいっぱいで朝だというのに体が重く感じる。


「カメラマンも殺されたらしいわね」


よしこちゃんが誰もいないのに小声で言った。


「らしいね・・・・・・。なんかもう、いっぱいいっぱいで理解不能」


「琴葉ちゃん、朝ごはん取りに行かないの?」


朝食はセルフサービスで、カウンターに並んだ朝食を各自が取りに行くスタイル。

夕食は寮生の担当だけど、朝食だけはよしこちゃんが毎回腕をふるっている。

味もなかなかのものだ。

でも、とても食べる気になれない。


「今日はお腹すいてなくって」


「あらま、めずらしい」


よしこちゃんはそう言うと、カウンターの方へ歩いて行った。