「屋上でテレビ局のレポーターが殺されたんだってさ。怖いよねぇ」


目を見開いて興奮したような嶋村の顔は、全然怖がっていない。

むしろ楽しんでいるようにも見える。


「・・・怖いですね」


思い出したくないのに、あの青空の下の赤い血だまりがフラッシュバックして気持ち悪くなる。


「それだけじゃないんだよ。カメラマンも体育倉庫で殺されてたんだって!」


「えっ・・・・・・」


サーッという音が耳元でするように、血の気が引く。


「今朝、早くに発見されたらしいよ。もう、ニュースそのことで持ち切り!」


「カメラマンまで・・・・・・?」


「もううちの学校有名になっちゃうよね」


嶋村は隣の寮生と「ねー」と、興奮したように言い合っている。


人が死んだのに・・・・・・私のクラスメイトが行方不明だっていうのに・・・・・・。

文句でも言ってやりたいけれど、それよりも恐怖が足元からじわじわと這いあがってくる。