ゾワッとする感覚が震えながら足元を一気にかけあがった。


「まさか・・・・・・」


扉についているそれは、よく見るとノブの部分にもある。

まるで飛び散ったように・・・・・・。


「あ・・・・・・」


意志とは関係なく体が勝手に後ずさりをした。

否定したい気持ちとは裏腹に、もうそれは血にしか見えなくなっていたから。


「どうしよう」


つぶやきながらも、私の手は勝手に自分のスマホをポケットから取り出していた。

震える手で画面からメニューを呼び出す。

頭にあるのは、恐怖と逃げ出したい気持ち。

だけど、それ以上に・・・・・・。

スマホを操作すると、耳に当てる。

すでに呼び出し音が鳴っていた。


___プルルルル プルルル


お願い、早く出て。


___プルルルル ガチャ