そんなの・・・・・・私だって同じじゃない。

勝手に恋して苦しんで。

その上、友達の恋にまでムカついて。

恋をすると、すごくウキウキして楽しいものかと思ってたけれど、実際は自分のイヤな面を知ってゆくだけ。

自分自身をどんどん嫌いになっていく気分。

するもんじゃないんだよ、恋なんて。


「で、話って?」


校舎の壁に寄りかかりながら、山本先生はまだ汗をかいている。

浩太がまた私を見てくるので、わざとらしくため息をついてやった。

ほんとに、肝心な時に黙っちゃうんだから。


「先生」


取りあえず話し始めようとする私を、

「今、先生な。警察に行ってきたんだ」

と、山本先生の声が割りこんできた。


「え?」


その声は私たち3人から発せられた。


「急に呼ばれてな。捜査の状況報告かと思ったらな。あのメガネの刑事が失礼なことを言うんだよ」


メガネの刑事・・・・・・。