3、

友季子はまだ戻ってきていないようだったので、手早く着替えると私は学校へ急いだ。

校門前につく頃には、背中にじんわり汗をかいていた。


「おう」


校門にもたれるように浩太が立っていた。


「お待たせ」


「俺も今来たとこ。友季子は?」


「まだ、みたいだね。橘さんに会いに行くって言ってたから」


私の返事に、浩太は歩き出した。


「なぁ、友季子ってほんとにあの刑事と付き合ってんのか?」


「うん。かなり夢中みたい」


「でも、けっこう年上だろ?」


「まぁ、大人の男性にあこがれる年頃ってやつ?」


そう言いながらも、私の頭のなかは・・・・・・。

あこがれ、なんて言葉ではもう押さえられないくらい大きくなっているんだよね。


「そんなもんなのかな」


浩太がそれ以上聞いてこないので、ホッと胸をなでおろす。

もし、結城のことを聞かれたら話してしまうかもしれなかった。


誰かに相談できればな。