なによ・・・・・・。

行くわけないじゃん。

どうせたいした情報じゃないに決まってるんだから。

その後ろ姿をにらみながら、私は心で思う。


でも・・・・・・。

でも、もしその情報が本当なら?

それで江梨子や悠香を助けられるなら?

胸がざわざわと音を立てているようだった。


「どうしたの?」


突然後ろから声をかけられて、私は「ひゃあ」と文字通り飛びあがった。


「あら、なによ化け物でも見たみたいに」


後ろに立っていたのは、よしこちゃんだった。

スーパーに寄った帰りなのか、両手に買い物袋を持っている。


「なんだよしこちゃんか」


「なんだ、って失礼ね。ねぇ、今の人だあれ?」


去って行くレポーター、いや、寺田を指さして不思議そうな顔をしている。