つられるように立ちあがる私。

友季子って人を脱力させる力があるんだよね・・・・・・。


―――学校に行くためには制服に着替えなくてはならない。


そういう規則だから。

一旦帰って、あとでまた集合することにして、家に帰る浩太を見送った。

友季子は、せっかく駅前まで来たのだから、橘のいる警察署をのぞいてみるとのこと。

うれしそうに小走りで走ってゆく後ろ姿。

なんだか、幸せそうでうらやましい、というよりせつなくなった。

私も店を出て帰ろうか、と思ったけれどその前にトイレに行くことにした。


___それにしても


狭い便座に座りながら私は考える。

なんだか、今起きていることが現実のことだと信じられない。

同じクラスメイトがふたりも行方不明。

それだけじゃない。

刑事と一緒に住んでいるこの現実。

そして・・・・・・。

間違いなく、結城に惹かれているのも事実という・・・・・・。

結城は単なる捜査のため、仕方なく一緒にいてくれてるっていうのに、そんなこと考えてる場合じゃないのに。