そんなことを考えていると、突然友季子が、

「でもさ」

と、言った。


「どうしたの?」


「その推理、ちょっと弱いと思う」


「え?」

友季子は腕を組むと、宙を見あげた。


「かわいい子が連れ去れるなら、まっさきに私が狙われるはずでしょ?」


「・・・・・・」


思わず絶句した私に、友季子は、

「だってきょうちゃんはいつもかわいいって言ってくれるもん」

と、不思議そうな顔をした。


「あ、そう・・・・・・」


「そうだよ。だから、その推理は筋がとおってないよ」


「う、うん・・・・・・。そうだね」


力なく答える私にあきれ顔で浩太は立ちあがる。


「いいから行こうぜ」


「あ、うん」