「子供だって家だって、お金かかるでしょ。つい、犯罪に手を染めた、ってことも考えられない?」


「・・・・・・」


「こんなこと考えたくないけど、山本先生がいちばん近い存在なのは確かだよね」


「あいつ・・・・・・」


浩太が空になった紙コップをにぎりしめて立ちあがった。


「どうしたの、コータ?」


「許せねぇ!」


叫ぶやいなや、駆けだしていきそうになる腕をつかんだ。


「ちょ、待ってよ」


「んだよ。学校にどうせいるだろ。とっちめてやる」


「は?」


「なぐってでも吐かせてやる」


鼻息荒くふりほどこうとする腕を必死でつかんだ。


「バカ! なに言ってんのよ」


「お前が言ったんだろ、あいつがあやしいって」


周りのお客さんが目を丸くしてい見ているので、なんとか浩太を無理やり座らせると、その頭をパーンと叩いた。


「いてっ」