「じゃあさ、犯人は近くで見張っているってこと?」


友季子の問いかけに、

「たぶん」

と、うなずくと浩太はため息をこぼした。


「でもさ、結城刑事がね『犯人は小グループの可能性が高い』って言ってたんだよ。少ない人数なのに、家を見張ったりできるのかなぁ」


私がふたりに尋ねると、友季子も「ああ」と思い出したように口にした。


「それ、きょうちゃんも言ってた。大きな組織ではないみたいだよ」


「きょうちゃん、って誰だよ」


首をかしげる浩太に、友季子は、

「きょうちゃんは私の彼氏だよん」

と、当たり前のように言う。


「は?」


まだいぶかしげそうな浩太。


「あのね、橘刑事さん。友季子と付き合っているんだって」

と、助け舟を出す。

隣で大きくうなずいてる友季子。


「へぇ・・・・・・」


まだ信じられないような顔をしている浩太を置いておき、話を元に戻すことにする。