なぐさめる言葉もみつからないけれど、考えを変えなくちゃ。

江梨子や悠香が今ごろどんな気持ちでいるかを考えるのはやめたんだ。

悲しんでばかりはいられない。

それよりも、昨日結城が言っていたように、犯人はまもなく日本を脱出しようとしているのかもしれない。

だからこそ、急がなくちゃ。


「あのね」


私は、昨日結城から聞いた捜査の進行状況をふたりに説明をした。

浩太はまばたきもせずに聞いている。


「だから、早く見つけなくちゃ」


そう言って話を終えた私は、紙の味がするコップのジュースを飲みほした。


「でもさ」


友季子がくちびるをとがらせる。


「警察が船を調べているんでしょう? だったらすぐにでも見つかりそうなもんじゃない?」


楽観的な声で私を見た。


「うん。だからそっちのほうは警察に任せてさ、私たちは別の方面から考えようよ」


「別の方面?」


浩太がいぶかしげな顔を作った。