「そう、がんばってね」


がんばって、なんとか友達を見つけてください。

言葉に出さずに、想いをこめた。


「ああ」


短く言って部屋から出て行こうとする結城が、ふと振り返る。


「・・・?」


「あ、あのな」


結城がモゾモゾと内ポケットから何かを出すと、私に向かってそれを投げた。

両手の中に小さな紙袋に入った物が落ちる。


「それ、やるよ。身につけとけ」


「え?」


「じゃあな」


ドアが閉まる。

しばらくぼんやりとドアを見たあと、手の中の紙袋を見る。

ベッドに腰かけて中身を取り出すと、それはペンダントだった。

銀色の細いチェーンの先に、青い色の涙の形のペンダントがついている。


・・・これって、プレゼント?


キュッと胸がつかまられたような苦しさ、そしてあとからやってくる感情。

たぶん、うれしい気持ち。