___小野友季子


そう、名前が出ている。

おそるおそる電話に出る。


「ごめん、友季子~」


わざと明るく言ってみる。


「琴葉? 琴葉なの?」


少し震えた友季子の声。


「ごめんね。もう、寮にいるよ」


「あ、ああ・・・・・・よかった。ぼう、どぼじじょうがどおぼっだんだがら○△□○△」


結局、友季子が泣き止むまで10分もかかってしまった。


深く反省・・・・・・。


今から戻る、という友季子と電話を終えたころ、結城が部屋に入ってきた。


「これから署に戻るから」


そう言って、私を見る。


「うん、遅くなる?」


最近は捜査が忙しいらしく、寝ている間にいつの間にか戻ってきていることも多かったから。


「ああ、たぶんな」