「ムカつく、ムカつく、ムカつくっ!」

叫びながら台所に乱入した私を、友季子が目を丸くして見た。


「ちょっ、どうしたのよ」


みそ汁をつぐ手を止めて、

「なんかあったの?門限ギリギリじゃない」

と、壁の時計に目をやった。


「だって友季子、聞いてよぉ」


そう言いながら、私は台所の丸椅子にドカッと腰かけた。

こんな時は、親友にグチるのがいちばん。


「聞くから、ほら、手伝って」


「・・・・・・うう。疲れてるのにぃ」

体よりも精神的にクタクタになってる。

あの刑事のせい。

絶対、そう。

ほんっと、ムカつく。

配膳を手伝いながら友季子にさっきあったことを話した。


「へぇ。刑事が?」


友季子がお盆におかずを並べながら、驚いたように言った。


7時を過ぎて、寮生が上の階から降りてきて友季子が作った夕食を受け取ってゆく。