なんだ・・・・・。

体中の力が抜けた。


「でも、犯人は少なくとも車の運転ができるってことだ。それに、少女を車に押し込めることができるってことは、屈強な男か、複数犯ってことだな」


「そんなのはじめからなんとなくわかってるじゃん」


不平をそのまま口にする。


「捜査ってのは、そうやってひとつずつ犯人像を確実なものにしていくんだ」


澄ました顔で結城は水を飲みほした。


「犯人は何人誘拐するつもりなんだろう?」


もう、5人の女子高生が・・・・・・。

彼女たちのことを思うと、胸が痛んだ。


「もう、そろそろ終わりだろう。報道合戦が今朝からはじまっただろ? これで、犯人たちもうかつには動けなくなる。そろそろ国外に脱出するつもりだろう」


その言葉に思わずソファから立ちあがる。


「国外に行っちゃったら、絶対見つからないじゃん! どうすんの!? 江梨子や悠香はどうすんのよ!」


結城は、グラスを床に置きながら、

「琴葉。警察だってバカじゃない。国外に出るには、ひとつしか方法がないから捜査はしやすいんだ」

と言った。


「ひとつ?」