「ね。同じクラスの子がふたりも誘拐されるなんてことある? なにかおかしくない?」


偶然にしてはできすぎている。


「まぁ、な。しかし、他の町で誘拐された3人との共通点は見つかってないんだ」


「犯人の目星とかは全然ついてないの?」


なんでもいい。

浩太を安心させてあげられる材料がほしかった。

まっすぐに結城を見る。


「監視カメラの映像を見たところ、琴葉が財布を拾う30分ほど前に黒い車が猛スピードで近くを急発進している映像があった。なんとかナンバーも分析できた」


「え! それ、すごいじゃん!」


ナンバーがわかれば持ち主もわかるはず!

顔が熱くなる。

興奮しているのが自分でもわかった。


「それが、な」


結城は首をかしげて唇をとがらせた。


「盗難車だったんだ。指紋やDNAも持ち主以外の物は見つかってない」


「・・・そう」