「宮崎悠香の恋人よね。ひょっとして三角関係ってやつ?」


「なっ・・・・・・?」


驚いて、思わず足が止まる。


「宮崎悠香は行方不明。それって、ひょっとしてあなたが関係あるのかしら?」


そう言ってにっこり笑ってマイクを向ける。


「・・・・・・」


「なんでこんなところでコソコソ会ってるのかしら?」


「さん・・・・・・」


「は?」


いぶかしげそうに髪をかきあげる。


「悠香さん、です。呼び捨てにしないでください」


「おお、怖い」


目をわざとらしく丸くするレポーターに嫌悪感。

わざと怒らせようとしているとしか思えない。

落ち着いて・・・・・・。

そう、自分に声をかけた。


「ここで偶然会っただけです。友達を心配して、なにが悪いんですか?」


「ふうん。友達、ね」