伝わるだろうか?

浩太は、

「おまえって」

と言いかけて、フッと笑った。


「なに?」


「たまに同級生じゃなくって、お母さんみたいになるよな」


そう言い切ると、おかしそうに目を細める。


「は? 誰がお母さん!? コータ~」


「はは、冗談冗談」


ベンチから軽々立ちあがると、浩太はカバンを肩にかけた。


「じゃ、俺行くわ」


「うん」


私もならって立ちあがった。


「話聞いてくれて、ありがとな」


「いつでも」


私がそう言うのにうなずいて、浩太は歩いて行った。

その後ろ姿を見てせつなくなる。

まるで悲しみのオーラをまとっているように、世界が色あせている。


「悠香……」