「寮に住んでちゃ悪い?」


バカにされているような気がして、私はタメ語で尋ねた。


「いや、このあたりの人間ぽくないからな」


なんだか分からないけど、ムカムカした私は結城の手から、

「もういいでしょ」

と、生徒手帳を取り返した。


「フン。ま、ごくろーさん。これは預かっておくから」


財布を見せてから、内ポケットにしまう。


「・・・・・・高校生だからって」


「あ?」


「高校生だからってバカにしないでください。明日交番で確認しますから。あなたがちゃんと財布を渡してくれたかって」


なにか言ってやらないと気が済まなかった。

私が挑むように言うのを、結城はしばらく目を細めて見ていたかと思うと、

「お前」

と口を開いた。


一瞬、間を置いてから結城は言い放つ。



「かわいくねーな」