校門を出たところで、周りを見回す。
学校からの通達が出ているからか、テレビカメラの台数は増えてはいるが、誰も話しかけてはこなかった。
まだ朝の光がまぶしい中、友季子とふたりで帰り道を歩く。
結城は、さすがに早退のことは知らないようで姿を見せない。
「ねぇ、どうすればいいんだろう?」
友季子を見ると、静かに首を振るだけ。
なにか答えてほしくって、私は質問を続けた。
「ヘンだと思わない? 江梨子だけじゃなくって、悠香まで行方不明だなんて」
「うん」
「同じクラスから普通ふたりも犯罪に巻き込まれちゃうものなの?」
「わからないよ」
困ったような顔をして友季子が言う。
「だよね・・・・・・。ごめん」
その後、私たちは無言で寮まで戻った。
早退の連絡はまだ来ていないらしく、寮のなかに人の姿はなかった。
よしこちゃんも買い物にでも出かけているのだろう。