次に、なるべく魔法の粉に私の願いの強さを染み込ませようと、小瓶を抱いて眠ってみた。


何日も何日も眠りつづけて、その間に何度も何度もあなたの夢を見た。


これならきっと願いが叶う、と思ってわくわくしながら目を覚ましてみたけど、あなたはどこにもいなかった。



もっと肌身離さずにいないといけないのかと思って、粉をフェイスパウダーに混ぜて化粧をしてみた。


あなたは現れなかった。



口紅に練り込んで唇に塗って、あなたの名前を何度も呼んだ。


それでもだめだった。




小瓶の中に残っているのは、もう、たったスプーンひとさじ分ほどだ。



小瓶の先をつまんで、揺らしてみる。


ガラスの中でさらさらと砂のような音がして、白い粉は互いにぶつかりあい、次第に形を崩して細かく砕けていった。


大粒の砂ほどの大きさだったものが、どんどん小さくなって、今はまるでパウダーシュガーのようだ。



ふとそう思ったとき、私の頭の中で何かが閃いた。



―――そうだ。


これはお砂糖なんだ。


きっとそうだ、絶対にそうだ。



なんて素敵なの。


魔法のお砂糖を使って、あなたに会う。



そういえば、お砂糖と魔法はとても近しいものだという気がする。