あなたの骨のかけらたちを、みんなで壺におさめた。
でも、あなたという大きな存在が、あんなに小さな壺におさまりきるわけはなくて。
運転手みたいな制服を着て白い手袋をつけた火葬場の男が、「残りはこちらで丁重に処分いたします」なんてふざけたことを言うから、
私は「どうせ捨てるつもりでしょう、それなら全部私にちょうだい」と泣き叫んで、
四角い台に残っていたあなたの骨のかけらと灰を、すべてガラスの小瓶に詰めて持って帰ってきたのだ。
私はあなたの骨の粉と灰が入った瓶をじっと見つめる。
そうだ、これはお砂糖だ。
あなたの大好きな、まるであなたのようなお砂糖だ。
コルクの栓を抜く。
ぽん、と軽やかな音がして、細かい粉と甘い香りが広がった。
唇を開いて、小瓶を逆さまにする。
舌のうえにさらさらと落ちてくるあなた。
ああ、やっぱり甘い。
これできっと、あなたに会える。
これでやっと、あなたに会える。
これはきっと、罪深いこと。
きっと、許されないこと。
それでもいい。
世界中から罪人と罵られてもいい。
地獄に堕ちたってかまわない。
だって、私は今からあなたに会える。
私が堕ちる地獄には、必ずあなたがいる。
それならいい。
あなたがいてくれるのなら、そこは私の天国なんだから。
*Fin.
でも、あなたという大きな存在が、あんなに小さな壺におさまりきるわけはなくて。
運転手みたいな制服を着て白い手袋をつけた火葬場の男が、「残りはこちらで丁重に処分いたします」なんてふざけたことを言うから、
私は「どうせ捨てるつもりでしょう、それなら全部私にちょうだい」と泣き叫んで、
四角い台に残っていたあなたの骨のかけらと灰を、すべてガラスの小瓶に詰めて持って帰ってきたのだ。
私はあなたの骨の粉と灰が入った瓶をじっと見つめる。
そうだ、これはお砂糖だ。
あなたの大好きな、まるであなたのようなお砂糖だ。
コルクの栓を抜く。
ぽん、と軽やかな音がして、細かい粉と甘い香りが広がった。
唇を開いて、小瓶を逆さまにする。
舌のうえにさらさらと落ちてくるあなた。
ああ、やっぱり甘い。
これできっと、あなたに会える。
これでやっと、あなたに会える。
これはきっと、罪深いこと。
きっと、許されないこと。
それでもいい。
世界中から罪人と罵られてもいい。
地獄に堕ちたってかまわない。
だって、私は今からあなたに会える。
私が堕ちる地獄には、必ずあなたがいる。
それならいい。
あなたがいてくれるのなら、そこは私の天国なんだから。
*Fin.