あたしたちは

こっそりと学校を抜け出して

近くの街へ出た


制服姿の学生なんて

一人もいない


あたしたちは

浮いていた



補導とかされたらどうする

とあたしは呟いた


児島はにやにやしながら



―――そんときゃそんときだろ

ってか、だれもそんな

他人に興味ねえって

だれも見てねえよ

俺らのことなんか



その通りだった


大人たちは忙しそうに歩き

さぼりの高校生なんかに

まったく関心を払わない



二歩ぶん前を歩いている

児島の姿を観察する


外見的にはいたって普通だ


ちゃらちゃらしているわけでもなく

真面目で地味というわけでもない



でも、中身は

あんまり普通じゃないらしい