「あ、それ分かるわー」



意外にも、ユカまで大きく頷いている。


ルイは同意を得られて嬉しそうにユカを見た。



「ですよね? 分かってくれますか、ユカさん」


「分かる分かる。なんか、レイラってほんと自分の話しないし」


「私生活とか想像つきませんよね」


「そうそう。仕事がない日とか何してんだろうって」


「趣味とかも全然わかりませんしね」




そんなふうに思われていたなんて、びっくりだ。



というか、私には、私生活も趣味もない。


仕事がない時間は、いつでもリヒトからの呼び出しに応じられるように、家で一人で待機しているだけだ。


その暇つぶしで、本を読んだり映画のDVDを観たりするくらい。



つまり、私はそれだけ底の浅い人間なのだ。



「………話すような趣味とかないだけだよ」



だし巻きを箸でつまみあげて、私は二人のやりとりに口を挟んだ。



「そっかー。ま、あたしも大した趣味なんかないな、そういえば」


「あはは、確かに俺も自慢できるような趣味はありませんね」


「じゃあさ、休みの日は何してる?」



ユカが私とルイを交互に見ながら訊いてきた。