「ねぇ、もし電車に乗ったらどうするの?」

紗江は意外に遠くから通っているのかもしれない。

電車に乗ったら、家までついて行くのかな。

そんな不安がふとよぎった私が聞くと、涼は、

「いや、それはないだろう。家は逆方向のはず」

と、すぐに言った。

「なんで分かるの?」

「亜実に生徒名簿に載ってる住所を見せてもらったから」

「ぶ。それって個人情報の流出だってば」

「アホか。んなこと気にしてたら調査できないだろうが」

「まぁ、それはそうなんだけど……」

ブツブツ言っている間に、急に視界が広がった。