たしかに緊張からか、異様に間隔を空けて歩いてしまっていた。

「そっか」

そう言いながら、涼のすぐ右隣に並ぶ。

だけど、私はもう今にも倒れそうなわけで。

自分の胸の音が聞こえそうなくらい涼が近くにいるわけで。

つまりは、かなりヤバい状況ってこと。

それと同時に、確実に自分が『恋している』ことを思い知らされる。

はじめて人を好きになって、それがこんなにも自分を見失わせるものだと知った。

涼を知らなければ良かった、とは思わない。

むしろ、神様がいるなら感謝したいくらい。


だけど。


だけど……。


なんだか、少しだけ苦しいんだ。