恋しているからなのか、それともまだ出逢って時間がたっていないからなのか……。

「俺、着替えてくるからさ。……一緒に帰るか?」


琥太郎の言葉に、ふと現実に戻される。


「は?」

「いや……。どうせ、おんなじ方向だろ?」

「ああ、うん……。あのね……」

なんて答えようか、返答につまっていると、

「お待たせ」

と、声がして向こうから涼が歩いてきた。

涼は、私のそばにいる琥太郎を認めると、少し目を大きくした。

「友達?」

「はい。同じクラスの有川琥太郎」