「私、尾行は苦手なんです。歩くと足がむくむでしょう? ああ、未希さんが来てくれて本当によかった」

心底ホッとしたように胸をなでおろすしぐさをしている。

自分でも役にたてるならと、私もまんざらでもない。

それに、尾行なんてドキドキというよりもワクワクする。

「じゃあ、明日報告するわ」

そう言って涼は私の頭にポンと手を置いた。

「ほえ?」

「ほら、行くぞ」

「ああ。はいはい」

軽い口調を意識しながらも、置かれた手の感触にまた胸がさわいでいる。



いいかげん私も成長しなきゃな……。