「同じ2年だからすぐに分かるさ」

なんでもないような口調で軽く笑う涼に、またしてもドキッとしそうに。

私は逃れるように亜実に顔を向ける。

「美術部でしたら、もうすぐ部活が終わる時間ですね」

亜実が腕時計を見て言った。


むむ。


ここからでも、その腕時計が高そうなのが分かる。


「今日は俺と未希で、尾行すればいいな」

「尾行? あとをつけるの?」

ほんと、刑事みたい!

「まぁ、うれしいわ」

両手をパチンと合わせて、本当にうれしそうに亜実が言った。