そうとう勇気を持ってここに来たのだろう。

「浮気調査、ってことか。未希、どうする?」

「え、私?」

「未希の最初の依頼だろ? お前が決めていいよ」


そんなこと言われても、初恋まっただなかの私になにができるんだろう?


でも、太一の苦しい気持ちはなんとかしてあげたいって、素直にそう思えた。

大きくうなずいてみせると、涼はポンッと太一の肩をたたいた。

「よし。太一、君の依頼を承るよ。少し時間がかかるかもしれないけど、彼女が浮気しているかどうかをしっかりと調査させてもらう」

「ありがとうございます!」

純朴そうな太一の顔が真っ赤になった。



彼を傷つける結果にならないといいな、と私はその時に思ったんだ。