「自由に言えばいい。僕たちはなにか質問があれば聞くから。君の思うまま、しゃべってくれていいよ」

ホッとしたように太一は息を吐くと、やがて口を開いた。

「僕には恋人がいます。1年の時につきあいだしました。部活で忙しくてなかなか会えないけれど、それでも大好きな彼女です」

「うん」

涼が宣言通りなにも言わないので、私はあいづいちを打っておいた。

「でも、最近……。彼女の態度がおかしいんです。電話やメールもそっけなくなっているし、日曜日の練習後とかも会ってくれなくなりました」

「……うん」

「そうしたら、最近ヘンなウワサを聞いたんです。彼女が、他の男と歩いているのを見た、って……」


沈黙。