「有名ってほどでも……。でも、ありがとうございます」

佐藤太一は背筋をしっかりと伸ばして運動部らしく元気に言った。

「で、太一。依頼内容は?」

涼は誰でも、下の名前で呼び捨てらしい。


でもそれどころじゃない。


『依頼』、の言葉に私も背筋を伸ばす。


これが私にとって最初の依頼。

受けることになれば、解決に向けて動き出さなくちゃならない。


しっかりと聞かなくちゃ。


「それが……」

言いよどんだ太一に、涼は顔をまた校庭に向けた。