ザザッ


土を踏みしめる音が近くで聞こえた。

見ると、ひとりの男子が目の前に立っていた。


短い髪に色黒の肌。

運動部に入っているのは一目でわかる。

「あの、依頼があって来たんですけど……」

少し気弱そうに私たちを見る。


「『お助け倶楽部』は、ここで合ってるよ。どうぞ」

涼が私たちの真ん中の席を指さすと、彼はホッとしたように座った。


つ、ついに来た。


初の依頼者!