同じベンチの右はしに涼。

左はしに私。


……でも一緒のベンチに座っているわけで。


顔が赤くならないように、自分に言い聞かせる。

意識しちゃダメ!


「昨日さ」

ふと、涼が口にしたのでそっちを見る。


ああ、あの優しい横顔。


グラウンドを見ながら話している。

そう、この顔に一目ぼれしちゃったんだよね。


「未希のこと亜実がほめてた」

「え、亜実さんが?」